【「施工計画書」という行動計画】
如月です。
今日は職場の定例会議でした。
定例ではいつも、過去の事故事例を取り上げて自現場に置き換え、どういう事故が想定され、その場合はどのように対処すべきかをみんなで議論する時間が設けられています。
今まで話に出てきた事故事例の一つに、昭和の大きな事故があります。
死者100名以上。
きっかけは高所で作業していた作業員が、手にしていた工具を落としたこと。
諸事情により詳しいことは書きませんが、最初この概要を聞いた時は驚きました。
なんで工具1つ落としたくらいでそんなに死者が出てしまうの?
ある意味偶然が重なった結果といいますか。
このような第三者被害はもちろん、作業員さんたち自身を守るためにも重要な存在なのが「施工計画書」というもの。
我が上司曰く。
「施工計画書とは、今回の工事ではここをこんな風にしますが、ここの詳細はこんな風になっています、そしてここをこんな手順でこのように施工します、と関係者全員に知らせるものだ」
と。
驚いたのはその細かさ。
例えば天井工事で。
大きいビルなどの天井裏には、天井を吊っている「吊りボルト」や「天井下地」と言われる部分があります。
イメージは、普段見えている天井の裏側に、金属のバーが格子状に張りめぐらされている感じです。
天井工事というと、その格子状の部分に切れ目を入れなければいけないことがあるのですが、その時には電動カッターを使ってその金属のバーを切ります。
施工計画書の出番はここです。
上司によると。
カッターで野縁(のぶち:金属のバーのこと)を切る時、
・どういう体制で切るのか
・上から刃を入れるのか、下から入れるのか
・両手でカッターを持つのか、片手は野縁を押さえるのか
・天井の下から上を見上げて切るのか、天井裏に上がって見下げて切るのか
などなど・・・
これら全ての答えを施工計画書に書くのだそうです。
ちなみに、これらに答えるための知識の一つとして、電動カッターの刃の回る方向まで考慮するのだとか。
刃の回転方向と野縁のあたりかたによっては、作業員さんに跳ね返って負傷する恐れがあるからなのだそうです。
そう、全ては関係者とその工事現場周辺で関わりそうな第三者など、考えうる全ての人に怪我をさせないためなのです。
先輩らは難なく施工計画書を作成しておられますが、そんな先輩らを尊敬せずにはいられません。
今の私にできることは、事故事例を沢山知ることで、どこのどういう状況が危険なのかを知ること、そしてそれを防止するための策を確実に講じられるように意識して現場について考えること、なのかなと思います。